昨年に引き続き、2024年の最新版としてアプリ広告業界の振り返り記事を作成しました。アイモバイルでお取引させていただくパブリッシャー様や提携ネットワーク事業者の情報を元に記事を作成しています。
2023年はAIのニュースが多く流れ、実際に業務に取り入れているパブリッシャー様の話も聞くようになりました。アプリの広告ではBidding移行が進み、よく言えば運用は自動化され、悪く言えば手動でどこをテコ入れしたら良いか分からなくなってきたというお声も聞きます。
そのような2023年でしたが、アプリ業界はどのようなトレンドがあったのか振り返ってみたいと思います。
アプリ収益化のトレンド
2023年のアプリトレンドとしては非ゲームカテゴリのアプリ収益が伸びました。
日常的に使われるツール系などのアプリは、何度か利用してもらえば習慣になり、長く使ってもらえます。広告の収益やサブスクリプション(定期購読、継続購入「以降サブスク」)などが多く、一度サブスクを契約してもらえればアプリの利用が続く限り継続的に決まった料金が収益として発生するため、ゲームなどの単発的な課金や需要の変化によって増減する課金より安定的しやすいのが大きなメリットだと思います。
また、ツール系などでデータを保存するようなアプリでは、一度定着するとデータ移行の手間やUI/UXの慣れなどから他社への乗り換えもされにくいです。
しかしサブスク料金はプランによって一人辺りの上限は決まってくるため、課金ユーザーが増えても課金ユーザー1人あたりの平均収益であるARPPUはあまり伸びてこないこともあります。そのためアプリの収益を底上げするには別の課金ポイントの用意や広告での収益アップも大事になってくるのではないでしょうか。
次にゲームカテゴリのアプリでは、広告収益のみで運用されるアプリに関しては収益がやや伸び悩んでいる印象があります。ただ、近年アプリの収益ポイントが多様化してきているため、ガチャやアバター着せ替えなど、ユーザーの課金ポイントを増やし、広告以外の収益ポイントを取り入れることで収益を上げるアプリもあります。
例えば、かつてはソーシャルゲームに限られていた課金形態が、ハイパーカジュアルアプリでも導入され収益アップに繋がっています。
収益ポイントを多様化することで一人辺りの課金額を伸ばせたり、これまで課金をしてこなかったユーザーの課金きっかけを作り、1回の課金額、課金回数、課金ユーザー数いずれも増える可能性があるためARPUの向上に繋がります。
先にご紹介した非ゲームカテゴリのサブスクと違い、毎月決まった金額という安定感を出すのは少し難しいかもしれませんが、逆にイベントの有無やアップデート内容によっては課金額を大きく伸ばせる可能性があります。
今後はこのような広告以外の収益化方法も検討し、広告設定の見直し以外に新たな取り組みが重要になってくるかもしれません。パブリッシャーの皆様はユーザーのニーズやトレンドを見極め、独自の収益化戦略の展開を検討してみてはいかがでしょうか。
アプリ内広告のCPM状況
2023年の広告収益の状況ですが、アプリ広告のCPMの大枠はダウントレンドから回復傾向にあると思います。アイモバイルのデータからは前年比較で97%に着地し、特段大きな変化は見られませんでした。ただ、6月以降は回復傾向で年の後半にかけてCPMは上昇しました。
広告の収益化では引き続きメディエーションの活用が主流になっており、配信するネットワークの選定やトレンドを加味したメディエーション運用などがCPMアップに繋がってきます。また、配信できる広告フォーマットも少しずつアップデートされていますので、アプリにあった広告フォーマットを選び、最適な広告掲載位置で広告を入れることが重要です。
次の見出しでメディエーションの活用や見直し方法も記載していますので、最近見直しができていないパブリッシャー様は参考にしてみてください。
また、これまで広告を入れたことないパブリッシャー様は前述した収益ポイントの多様化という観点でも広告を入れた方が良い場面もでてくると思います。広告運用部分をまるっと代行させていただくことも可能ですので、少しでも広告の収益化に興味をお持ちいただけるようであればお気軽にお問い合わせください。
収益をあげるために出来ること
アプリパブリッシャー様が収益を向上させるためにできることをまとめました。
■メディエーションの活用
メディエーションを積極的に活用し、Bidding配信の設定やメディエーショングループの見直しを行います。これにより、広告収益の最適化を図ることができます。
こちらの記事でメディエーションの活用方法を記載していますのでご確認ください。
■広告エコシステムの設定
広告エコシステムを最適化し、収益性を向上させるために広告エコシステム・計測システムの設定が重要です。具体的な対応として、app-ads.txtやseller.json、SKAdnetworkの設定を行います。これにより、広告収益の増加が期待されます。広告エコシステムもこちらの記事に記載しています。
■広告以外の収益ポイントの作成
ソーシャルゲームアプリを参考に自社のアプリにあった課金ポイントを検討し、アプリ内で使用できる通貨パックや期間限定のイベント、ガチャなどを導入検討してみてください。これにより、最初に触れた通り、広告以外の収益ポイントを作り出し、課金回数も増やすことができるため、アプリ全体の収益拡大が期待されます。パブリッシャー様はユーザーの利便性や体験を考慮しながら、収益化手法を工夫する必要があります。
こちらの施策については事例と合わせて下記に詳しく記載しています!
メディエーションや広告エコシステムの具体的な設定方法、広告以外の収益ポイントの例をまとめていますので資料をダウンロードしてぜひご確認ください!
※競合の方はお断りしています
まとめ
2024年のアプリ収益化では、収益ポイントの多様化やCPMの回復が見られます。パブリッシャー様は広告以外の収益化手法を積極的に取り入れ、収益の拡大を図る必要があると思います。また、改めて基本的なメディエーションや広告エコシステムの最適化も重要であり、常に最新のトレンドや技術に敏感に対応することがアプリの収益最大化成功の鍵ではないでしょうか。
アプリ市場の競争が激化する中、収益最大化のためにはユーザーのニーズや市場動向を把握し、柔軟かつ効果的な収益化戦略を展開することが不可欠です。絶えず変化するデジタル環境に適応し、ユーザーエクスペリエンスと収益性の両立を図ることが大事になります。
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